がん、認知症、糖尿病…病気を予防するには生き方の見直しが重要

安保徹の長寿革命

医学博士の安保徹氏は、著書「安保徹の長寿革命」の中で、人間がエネルギーを得る手段として、「解糖系」と「ミトコンドリア系」の2種類があると説明しています。

「解糖系」とは、地球が無酸素だった時代から生物が持っていた最も原始的な代謝系。
解糖系は嫌気性(酸素が嫌い)の代謝系で、糖質を分解してエネルギーを作り出す仕組みであり、そのエネルギーは細胞分裂のエネルギーとして使われます。
発酵現象は嫌気性であり、老廃物を乳酸として排出します。

「ミトコンドリア系」とは、酸素をエネルギーを取り出す材料として使う好気性(酸素が好き)の代謝系。
もともと生物にとって毒素であった酸素に適応する細菌(好気性細菌)が約20億年前に出現し、それが私たちの体内に寄生したことから発生した代謝系です。
ミトコンドリアは、解糖系から身を守るために分裂抑制遺伝子を持ちます。

解糖系は、エネルギー製造速度が早く、即効性や瞬発力に長けます。しかし、持続力はなく、一度に大量のエネルギーを作ることは苦手です。
ミトコンドリア系は、エネルギー製造までに時間がかかるが、エネルギー効率が良く持続力があります。しかし、細胞分裂がしにくいためダメージに弱く、一度損傷すると再生しません。

解糖系の細胞は皮膚、白筋などにあります。
ミトコンドリア系の細胞は脳神経、心筋、赤筋などにあります。
また、男性の精子は解糖系、女性の卵子はミトコンドリア系です。

解糖系は32度ぐらいの低体温が至適温度で、ミトコンドリア系は37度以上の温かい体温が至適です。
したがって、男性の股間は冷やし、女性の子宮は温めておくことが好ましいのです。

人間の体は、子供の時はミトコンドリアが少なく解糖系が優位です。
したがって、子供は外で元気よく遊んで、乳酸が溜まってすぐに疲れてしまうような遊び方を好みます。また、解糖系は糖しか使えないので、子供はおやつや夜食を欲しがります。
大人になると解糖系とミトコンドリア系が1対1の調和で使われるようになり、50代以降ではミトコンドリア系が優位になります。

したがって、安保氏は、人間は年齢によって生き方を変えていくべきだと話しています。
子供は、多少寒いところでも過度に厚着をさせず、元気に遊ばせること。
大人になったらメリハリのある生活に切り替え、自然の流れに従って無理なく生きることです。

画像の説明

分裂の早いガン細胞は解糖系なので、低酸素・低体温を好みます。従って、ガン細胞は温めることで分裂が抑制されます。
体が低酸素・低体温になる原因はストレスであり、私たちがストレスを受けると、瞬発力を得て危機を乗り越えるため、無酸素で素早くエネルギーを作る解糖系の代謝が働きます。
すなわち、がん細胞とは、細胞が生き延びるための適応反応であるのです。
しかし、ストレスがあまりにも長く続いたり、あまりにも大きなものである場合には、解糖系とミトコンドリア系のバランスが崩れ、解糖系ばかりが働くようになってしまうのです。
したがって、がんにならない重要ポイントは、食生活の改善も大切ですが、それ以上に重要な事は生き方を見つめなおす事だと安保氏は強調します。

悩み、忙しい、興奮などの状態が続くと、体の声を聞くことができなくなります。
攻撃的な感情は痛みを遮断して物事に集中する仕組みでもあるので、ストレスによって感覚が鈍ってくると、もともと生命を維持するために備わった機能が過度に働いてアンバランスになってしまうことがあるのです。

体が低体温・低酸素という状態になると、ブドウ糖が消費されずに血中に戻り循環するようになります。これが高血糖・糖尿病の原因です。
しかし、インスリンで血糖値を下げる治療を続けると、空腹時に脳のエネルギー源であるブドウ糖が枯渇してしまいます。
また、降圧剤で血圧を下げる治療を続けていると、脳の血流が悪くなります。
いずれも認知症の原因になります。
したがって、病気を叩くための治療に頼ることよりも、ストレスの解消と体を温めることでミトコンドリアの働きを活発にすることのほうが重要です。

※参照: 安保徹氏著「安保徹の長寿革命」(実業之日本社)